頓痴気号漂流記

一人で工廠を名乗る不届き者。

狂気の弁明#6

Twitter@soltrigger54

 

ー(兎爺)今回は狂気の座談会にて司会をお願いしました、朧灯さんをお呼びしてお話をお聞きして行こうと思います。朧灯さんよろしくお願いします

私をここから出せ!!!!

ー別に監獄でも牢獄でもなんでもないので…のんびりとお話をして頂きたいんですけど…もう大丈夫か出れますか?出ましたか?大丈夫ですか?

(鉄格子を揺らす音)

ーまあ捕まったままでもお話は聞けますので、折角ですし捕まえたままお話を始めていたいと思います、よろしくお願いします。

アイマスとの出会い

ー早速なんですけどアイマスとの出会いについてお話をお願いしてもよろしいでしょうか。

出会いそのものはアニマスをリアルタイムで見たところで、その後に一番大きかったのは親からスマートフォン買ってもらったことですね。当時僕の家にあったゲーム機といえばセガサターンのみ。ちょうどスマホを買ってもらったタイミングにモバマスが始まるということで、これならやれるわ、ってのが長い付き合いの始まりでした。

ー朧灯さんは、シンデレラや765AS以外にもたくさんのアイマスに触れられているとお聞きしていますけども、他のアイマスに触れるきっかけは何だったのでしょうか?

モバマスをやってた延長線上で、新しいタイトルが始まるんだったらとりあえずやってみるかって。イメージとしては、ポケモンをやっててポケモンの続編が出たんならとりあえずやるぞってなりますよね?それです。

ー本当にアイマスと共に歩んできたというようなことになっているんでしょうか?

そうですね…始めて2、3年ぐらいはなんだこのクソゲーやってらんねーとか言いながら入って抜けてを繰り返したので、皆勤賞ではないですが…。そうですね、まあ振り返ってみれば、いつのまにか誕生日にアイマスの新タイトルがローンチされるし、なんかここまできちゃったんだなーって気がしますね。

 

・担当や推しについて

ーそんな朧灯さんなんですけども担当について教えていただいてもよろしいでしょうか。

担当は13人で、シンデレラが9人、ミリオンが1人、シャニマスが一応3人です。人数少ないところから紹介してくと、ミリオンライブが田中琴葉一人だけ。でシャニが、西城樹里ちゃん、あとStraylightってくくりであるんですけど、基本的には僕は主体が愛依ちゃんなので、和泉愛依ちゃん。あとのnoctchillの樋口円香ちゃん…円香にちゃん付けは何かおかしい、いやシャニみんな違いますね、和泉愛依に西城樹里、樋口円香ですね。デレマスは五十音順にいくと、伊集院惠、沢田麻理菜、白雪千夜、高橋礼子、西川保奈美、ナターリア、早坂美玲、藤原肇、夢見りあむの9人ですね。

ー本当にたくさんいらっしゃいますね。昨年2月のアイマス学会では肇ちゃんのお話をされていたとおもうんですけど、肇ちゃんについて話を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか

基本的に担当を選ぶ時はアイドルを全員ざっと見ていって、どこか引っかかった子をまずピックアップ。そしてその子の個人情報やセリフのテキストを見てさらに選んで…という作業を行うんです。特にモバマスの初期は各アイドルのテキスト量も少なかったし、声もなければイラストの幅もなかったのでカードが増えるたびにウィキ見たり、まとめサイトを漁ったりして情報を補完しながら担当を選んでいきましたね。

でも肇は、担当の中でもイレギュラーな子で。肇だけは夜桜小町っていうアイプロのカードが出て、それをを見た時に「あ、こいつは俺の担当にすべきだ」ってシャアがアムロに気づくニュータイプ的な表現みたいな感じで、一目見て思ったんですよ。

ー肇ちゃんの一番初めのノーマルカードは本当に作業服と言いますか田舎から出てきた感じですよね。

 そうなんですよ。他の子が割と今様の服装だったりする中で作務衣というチョイス。攻めてるな、シンデレラ。そんな気持ちでした。そんな彼女の中で一番印象に残っていたのが、アイドルになった動機で。陶芸家として私はこのままではいけないと思ったからアイドルになりに来ましたって言うんですよ。なかなかに珍しいんですけどアイドルをやった先まで見据えてる子ではありますかね。

普通ならアイドルになってこうしたいこうなりたいとアイドルたちは語ると思うんですけど、肇はあくまで備前焼を焼く上での一つの経験としてのアイドルというものがあるので、心に留まったんだと思います。

ーそうですね、確かにシンデレラのみならずアイドルをやることを目的とする子が多い中で、肇ちゃんは本当に珍しいパターンだなと思います。そんな朧灯さんですけども、推しっていらっしゃいますか?

 明確に意識したことがなかったですが。昨日たまたまそういう話になった時に担当じゃないけど好きな子だよって言われたので、それに則るとシンデレラの星輝子はぶっちぎりで、あと宮本フレデリカですね。

ー輝子ちゃんというと、昨年二月の発表でもトリを飾っていたアイドルですけども。

 僕にとってはかなり大きいウェイトを持っているアイドルですね。

ー大きいウェイトとはどのようなものなんですか?

 彼女はまず一個、それまでのアイマスにないキャラクター性を持っていて、一枚のカードでそれの両面を見せたところが大きくて。15歳142センチの35キロだったかな、すんごいガリガリの15歳で。本当にお前大丈夫なの?っていう。それにぼっちを自称するって...って感じだったのが、2枚重ねて覚醒した後にはV系バンドかっていうメイクと衣装だし、メロイックサインやってヒャッハー言ってる。???っていう。それまでの方向でアイマスでメタルっていなかったと思うんですね。シンデレラはその他にもカリスマギャルだったりとかとなかなか当時希少なキャラクターもいたんですけど、特に目を引いたんですね。そんな子が地元が一緒だと。そこで親近感がまず湧いたんですね。そうしてテキストを読み進めていって、ぼっちに共感を持ったってのもありました。当時僕の環境はそういう趣味にあたりがきつかったですし。

その後に彼女は割と早々に声を曲をもらいライブに出るようになって。対して僕の担当はそこまですぐ大きくなれなかった。あそこまで個性が尖っていても、あそこまで輝いてライブですげーパフォーマンスができるようなアイドルになったんだから、うちの子達も引けを取らないはずだし、ああいうふうになって欲しいっていう思いが彼女を見てできていったところがありますね。

それにモバマスって、課金しなきゃカードは引けないし、そもそもガシャにうちの担当出てくれないし。その中で彼女は少なくとも僕の知ってる中で一番身近で、一番輝いてステージに立ってたところがあって。さっき言ったような気持ちになっていたら、まあ星輝子はあいかわらず、紅っていう難題をジュエリーズでさらっとこなしていて。メタルって言ったらアイマスは星輝子だなっていう路線が確立してました。あそこまで尖って、あそこまで周りに認めてもらえたら俺も嬉しいな担当だったら嬉しいなってその姿を影を追い求めてかれこれもう8年とか9年とか経つので。彼女がいなかったら僕は今アイマス続けてませんし、彼女がいなければたぶんここまで自分の担当に躍起になったりとか、自分の担当について深く考え巡らせたりとかありませんでしたし、アイマスについて深く考えたりとかしなかったと思います。

 ーなるほど輝子ちゃんの個性に注目されたのですね。ちなみになんですけどフレちゃんはどうなんでしょうか?

 僕がああいう性格の人間が大好きなだけ。

 ー人間として好きであったと。

 顔面とかは正直タイプじゃないです。傍から見て勝手にブーストかけたりとかそういう立ち位置でいたいので。Pよりも悪友でありたい。

ーなるほど、Pじゃなくて近所のおっちゃんとかそういう立ち位置なんですかね。

 同じ事務所の顔見知りのおじさん程度でいたいな、というのはフレちゃんが一番ですね。

ーそんな推しのお話を頂きましたが、担当さんと推しさんに明確な違いってありますか?

 輝子に関してはもう導入からしてなので僕の中では推しとか担当とかではなく神様なので僕にとって神様はそういうくくりに入れることが難しいんですけど。それ以外の子達について共通点として考えると、その子とそのPの関係性を見ていたい、と思う子達です(伝わりにくいけど、デュラララの赤林さんみたいな)。

ーとなると担当というものが逆にどういう風に捉えてらっしゃるのでしょうか

うーんと、一概にこう、ってものはないですね。というのも担当の中でもかなり担当した時期に差があるので。担当ごとにその理由ってのはありますが共通してこう、ってものはないかもしれません。あえていうなら「自ら傘を渡す」みたいなところですかね。

 

・発表要約

ーなるほど…ではここから話が変わっていくんですけども、今回朧灯さんをお呼びしたのは昨年二月の第二回アイマス学会in札幌での発表を聞いてのことでございました。そちらの発表について要約をお願いできますでしょうか。

 簡単に言うとデレマスは他のアイマスとは一線を画すので、そこを楽しもうぜ、ってお話です。

ーその違いというのは何でしょうか?

 なんだと思いますか?

ーいっぱいいることですか?

そうですね。いっぱいいるんですけどその中で声がついて活動してるって子になると何人に絞られますか?

ー半分くらいでしたっけ?80数人とかでしたっけ?

そうですね、87人に絞られてしまうところです。87という数字はアイマスコンテンツ内最多ですが、その裏には103人というまだその舞台に立てないアイドルがいるということにもなります。基本的にそういうのってネガティブに捉えられてしまうんです。でも、エンターテインメントをわざわざネガティブに捉えることは、僕はつまらないと思うので。楽しめるなら楽しんだものが勝ちだと思うし、そこでしかできない経験があるなら、そこでしかできないことをやった方が僕は面白いと思うので。そういう意味で、シンデレラの特異な点として自分たちの活動した後に声が付く、曲をもらう、てところでひとつ自分たちの努力とか前提を加味して、その声や出番などの喜びに浸れるというところが大きいと思います。

ーP達の努力というか、やってきたというものの成果が見えやすいということなんでしょうかね。

そうですね、あとは単純にPの方が下手すると役者よりキャラクターとの付き合いが長いというところです。

ーお話にあった肇ちゃんもまだ声が付いてから数年しか経っていませんもんね。そんな肇ちゃんと言いますとHNYを初め様々なライブで歌を披露してきましたが、実際に聴いてみてどうでした?

肇に関しては、僕は…alwaysは別の意味が入ってきてしまうんですが、ほかの部分に関しては長く見てきただけの知識と、彼女のスタンスやパフォーマンスには長い付き合いで予感があったので、そのとき僕は取り合えずガッツポーズをし、「これが藤原肇というアイドルなんだぜ、お前ら覚えて帰れよ」という気持ちでした。

ーとなると観客というより一般的な意味でのPとして目線が強いみたいですね。

そうですね。前提として、まだ彼女を担当して肇にボイスがなかった時間の方が長いので。その間に藤原肇って誰やねんっていう言葉や、藤原肇がうどんの人っていう二次創作(?)が公式に輸入されるさまも見ましたし、藤原肇ロリコン説が局所的に流れたのも目の当たりにしました。そういう「よくわからない作務衣の子」っていう印象から椎名先生達から曲をもらってそれを歌いこなすだけの人が演じる「備前焼の女の子」っていうところまでしっかりと像が固まって認知されたのが僕は嬉しいです。元々声がついていたら違うんでしょうが、そうじゃないので。俺はお前らに肇がすごい魅力的な女の子だと知らせるためにここまでやってきたんだって思ってるので。

 

・今後の展望

ーということでここまでお話をお聞きしてきたんですけども、今後その発表についてこんな風に膨らませていきたいとかこういう話をしてみたいっていう展望はございますか

とりあえず肇が他の声がついたアイドルたちが歩いてきた道を一通りたどりきったと思います。ソロ曲が出て、まあオンラインの舞台であるんですけど、初披露しオーディエンスを魅了したところが当時からの新たな歩みです。あの時は、声がついたところまでの体感しかお話しできてませんでした。確かその発表って最後に星輝子を引き合いに出して、あの大阪の会場で紅を歌って、聴衆を虜にした女の子と同じような活躍をしてほしいって言ってました。今はその願いがある意味叶った形になってます。だからその時にどんな風に思ったのかってことを新たにお話できる、と思っています。そうすると声が付いてない子から見ていくってところの面白さってのがまた少し、伝わるんじゃないかなって思ってます。それに、僕には今までで唯一のサプライズ方法で声がつき、HNYでソロ曲を披露した子も担当にいます。今度はその子の話だったり、肇との比較、という話をするかもしれません。

ーなるほど、肇ちゃんだけでなく美玲ちゃんの話をするかもしれないということですね。美玲ちゃんもHNYでソロ曲を披露してましたが、いかがでしたか。

基本的に映像のライヴでは、役者さんを役者さんとして見ることが多いんです。でも、Claw My Heartを歌ってる時だけは朝井彩加さんが10年後くらいの早坂美玲に見えたんです。朝井彩加さん28歳が早坂美玲14歳そのものに、ではないんですが、でももし美玲が大きくなったら。アイドルを続けて歳を重ねていったなら。こんな風になるのかな、こういうパフォーマンスを見せてくれるのかなって思ってました。

 

・犯行動機

ーまた機会が必ず来ると思いますのでその時にお話しいただきたいと思います。ということでお話をいただきましたけどもそもそも発表されたきっかけというのは何だったんでしょうか

この発表をした理由は3つです。

まず、これまでこういったイベントに参加してきて、アイドルのダイマって難しいなと思いまして。その中で何かオリジナリティを出そうとしたときに、ライブだったりで知り合ったPさんたちのことが頭に浮かんだんですね。いろんなPさんたちと交流するようになって2年弱で、いろんなアイドルのPさんと出会いました。その中で、まだ声がついてないアイドルの熱いPさんもいたんですよ。でも、ひたすら頑張るのって疲れるし、いつ実を結ぶかわからないのってすごく疲れるんです。だから、そういうPさんがこれからまだ諦めないでいるための材料として、一度僕がその道を通ってきたものとして何かできることはないかと思ってこの発表をしました。

それに、肇は声付きましたけど僕の担当にはまだ声も付いてない子もいます。最近は漫画で出番がもらえて、露出が増えた子もいますが、そうじゃない子もいます。そういう意味では自分の発奮材料でもあります。

最後に、シンデレラガールズに興味を持ってもらうことです。シンデレラガールズというコンテンツは「続けばいつか」と希望が持てるところがまだいいところだと思ういます。終わってしまったらそこまでなんですよ。終わってしまったら今の103人は「声がなかったアイドル」になるんですけど、続いてさえいてくれればまだ声がつくかもしれないと希望は持てるので。そのためにはまず多くの人に触ってもらうしかない。そんな意味ではシンデレラガールズダイマと換言しても差し支えないです。

 

・私的P観

ーでは最後に朧灯さんにとってのプロデューサー論についてお聞きしてもよろしいでしょうか。

プロデューサー論というよりは、どんなPでありたいかという話になるんですが。担当した女の子たちに、そのままでいいんだ、ここで俺が責任持つから好きなようにやりなさい、そして得た経験を糧にして自分を大きくしなさいという心情で僕は触れています。欠けてることも足りないことも全部、彼女たちの長所だし、個性です。そういったものを肯定し、時には修正しながらもそのまま歩んでいってほしい。ある意味僕が大人になって、そういう子達に出会う前の予行演習かもしれません。

ー個性を認めるだけじゃ難しいと思うんですが認めてもそれこそ大きくなれるって思った理由っていうのはやっぱり星輝子ちゃんが絡んでくるんでしょうか。

そうですね。輝子が補完してくれた部分もあります。突き抜ければ何事も素晴らしい才能になります。そこに時間をかければかけただけ、それはその子にとって武器になります。それは現実でもアイマスの世界でも同じだと思っています。でも時間をかけることを阻んでしまったら、その子には何も残りません。彼女たちが自分の好きなことに向かって進む中で得られることが彼女たちに必要だと思っているので。

それにあの子達の時間は止まってますが、アイドルは生涯やるものではないです。そんな彼女たちの貴重な時間を使うんですから、そこで何かしら彼女たちの人生に還元させなきゃいけないだろうな、って。

ーお話を聞いていると、アイドルのその先を見てるという印象があるんですけども、そういう自覚はあったりしますか。

ありますね。基本的にデレマスは将来を信じる、先を願うことで今に至るコンテンツだと思っています。加えて藤原肇を筆頭にうちの担当たちは何かしら欠けている部分や不安な部分があって。それが時を経て少しずつ学んだり成長して今に至る様子を見てきたので、今後さらにどう歩んで欲しいか、考えてしまう節はあります。

ーそういえば以前の座談会前後にお話させて頂いた際、アイドルは情報と捉えているという話を拝聴しましたが、そちらの真意についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

シンデレラガールズでは、物語って結局個人で作るものなんですよね。当初のモバマスにストーリー性があるのってぷちエピソードの6編しかなくて。それ以外はセリフとしてのテキスト情報だけ。となった時にアイドルのどこを好きなんだろうと思うと、情報をもとにした己の解釈しかないんですよね。

だから他の方のお話を聞いている時も、この人は担当を通して何を見ているんだろう、担当に何を求めているんだろう、ということを見定めようとしたりします。私にとってはアイドル以上にその担当Pたちの文脈だったり、見ている世界が興味深いです。

最近、ライブとかの感想で結構聞く話ですが、曲を聴いていてなんかこの曲のこの表情で歌っていた裏側にはこういうコミュのストーリーがあって…、ってなってくるとそれってお前ら楽しんでるのってパフォーマンスじゃなくて文脈だよねって。この演者さんのこのパフォーマンスがすごい、だったらライブの感想だと思うんです。けど、その後にこのコミュの流れがこういうことがあったから彼女がこういう風に歌うから泣けるんだって言われたら。それは初見の人に伝わらないので、それは情報で見てる、ってことだと思います。

テキスト情報をもとに何かを伝えようとすると、個人の感情が割と邪魔になることが多いんです。やっぱり自分が感じたことを他者が感じるかというとそうでもなくて。まぁテキストとテキストとを繋ぐ糊が個人の感情なんで、その糊が違ったら、結果作れたものも違うので。俺の話がうまく伝わらんなーってなったらやっぱそれを排して、みんなが触れる情報に頼るしかなくて。○○の情報があって、〜なことが読み取れるよね、だからこの子はこうなんだ、というのは情報の読み取りでしかなく、そこにあるのは真偽のわからないカケラしかないんですよ。楽曲なり、声なり、アニメーションなりが蓄積されて多くあれば、それも収束して一定の方向に固まりますが、シンデレラはそれすら不十分なアイドルがいっぱいいるので。そういう経緯の中で、下手すると名前を覚えられてすらいないアイドルについて、私の感情を伴った物語を話す、というのは僕には無理でした。そんなことを経て、僕はこの子達を情報としてみることしか無理です、一つの有機体として彼女たちを捉えることはできません、と。今もまだアイドルを個人として見ることには、至れてません。

ーあくまでも彼女たちが持ってるステータスとか台詞とかそういうところで見ること。

モバマス当初ってぷちデレラのステータスで見てこの子多分これが得意なんだろうなーとか言ってたんですよ。その状況を僕は情報で判断してるとしか言えないので。声聞いてんなら分かりますけど、数字が高いからってお前人に対する扱いじゃねえだろって。そういうことを普通にモバマス初期からやってたので無理ですね、人としてみるって。それが染み付いてしまっているので。

 

ー(温泉卿)情報をアイドルの主な要素とする思想が、ライブで役者さんは役者さんとしか見れないっていう発言の方にも繋がっていくという認識で大丈夫ですか?

ライブではっていうより、円盤やライブヴューイングで見る場合は、です。

ーなるほど

現地だと僕の目が悪いので個人衣装を着られた瞬間にその子に見えます。

ーそれはもうなんか認識の問題ではなくて…

服がその子のもので、声もその子なら、もう認識としてその子だろ、という。

ーわかりました。ちなみにその情報だと思っているって言うのはシンデレラに限らずっていう話で大丈夫ですか

そうですね情報ってところが正しいかわかんないですけど、シャニマスなんかもう完璧に物語なので。シャニマスには物語って意味である意味情報かもしれないです。形態は違うんですけど、僕がその世界の中に飛び込んでアイマスのゲームのロールプレイみたいなことしてるかと聞かれたら僕をそういうことはしないで、ちょっと離れたところでそれを見てこういうことなんだな、と。

ーシンデレラはやはり特別に情報ぽくて、他は情報かどうかはわからないけどとりあえず一歩引いてるよという認識ですかね。

そうですね情報だと思うんですけど、如何せんミリオンライブにちゃんと触れられてないのがあるので。僕にとって765は完成された場所、到達点、目標みたいなところがあったので。一応琴葉が担当ですけどその他のアイドルに習熟しきれていないです。シャニマスは塊の情報をぶつけられて、その中で何を精査するかというのが肝なので。まぁライターとの勝負です。アイドルではなく。例えば言葉尻でこの助詞を使ってるから、心情や行動はこんなんだろうっていう。現代文を解いてる感じですね。

ーなるほど。わかりました。以上です。

ー(Lotus)私はマジで何も言えないことが判明したのでちょっと黙ってましたが、ひとつだけ気になったことをいいですか。アイドルへの接し方の問題なんですけど、自分から道を指し示すというよりは基本的にそのやりたいこととか目指したい場所を聞いてそこに一緒に行く手伝いをするみたいな感じなんですかね。その自分から引っ張ることが少ない印象受けたんですけど。

そうですね。時と場合によります。例えばある担当向けの仕事があってそれに向かって行くなら全然いいんですけど、その子向けじゃないけど、これやった方が絶対に繋がるものがある、のであれば、やらせようとします。そして迷ってるなら手を差し伸べます。けど、手を差し伸べたけど、取るのはお前の自由よ、それはお前が決めなさい、任せるからって僕は言います。樋口が似たこと言ってるんですが、「お前が感じた感情もお前の選択も全てお前だけのものだから」っていうことです。

ーアイドルへの呼び方の敬称の差とかありますか

気持ち悪くないかどうかです。

ーありがとうございます。多分これ以上私から出来る質問がないと思います。

 

・取材後記

朧灯さんご本人のお話をしっかりお聞きしてきましたが、濃く長いアイマス生活とアイドル達への深い想いを感じる事が出来ました。今までとは違う「ヤバさ」を感じるようなインタビューになったのでは無いでしょうか。

  

次回は藤河ひとひさんにお話をお聞きします。公開は【2/13】予定です!

 

(文責:兎爺)

 

 

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